今働いている会社が嫌で嫌で仕方ない、なんとか現状を変えたい、と思っている人の選択肢として「作家になる」というのもありますよね。
作家になりたい。作家になって印税で暮らしたい、という夢。
でも気をつけないと、この夢を「食い物」にされることになります。
詐欺まがいの「自費出版」の手口
まず、詐欺まがいの「自費出版」の問題。
もちろん、法的には詐欺と言えないまでも「それってひどいんじゃない?」という話はたくさんあります。
よくあるパターンとしては・・・
まず、「カモ」を集めるために、何らかの「賞」をでっち上げて、応募してもらいます。「なんとか文学賞」のようなものを勝手に作ってしまうわけですね。
「大賞の方には賞金30万円、作品は当社で出版いたします」とかなんとか。
で、これにあなたが応募したとしましょう。
その後、ワクワクしながら結果発表を待っていると、あなたとは別の人が大賞を取ったことを知らされます。
でも、あなたにはこんなことを言ってきます。
「実はあなたの作品は、おしいところで大賞を逃したんです。でもこのままあなたの才能を埋もれさせてしまうのは非常にもったいない。どうでしょう、自費出版を考えてみては・・・」
そこであなたはすごくいい気分になるわけですよね。
「自分にも才能があったんだ!」って。
それで、いい気分で勢いづいて、あり得ない金額の費用を、その「出版社」に払ってしまうわけです。
その結果、あなたの本が出版され、そればベストセラーに・・・ということもありえないわけです。
悪い場合はそのままその「出版社」は消えてしまいます。
本当に売れそうなら…
運が良ければ本当に出版されますが、どう考えても、あなたが払った費用に比べると少なすぎる量しか印刷されないし、もちろん売れもしません。
結局、
「ああ、残念ながら売れませんでしたね。一般の人は見る目が無いなぁ・・・」
「でもどうか希望を捨てずに書き続けてくださいね。(ニコッ」
とかなんとか言われて終わりです。
詐欺の場合は、あなただけでなく、あなた以外の応募者全員に同じ話を持ちかけるわけですね。
詐欺とまでは言えないケースだと、
「まぐれで売れるかもしれないけど、我が社で費用は負担したくないなぁ」
「とりあえず作者にリスクを押し付けちゃえ」
ということですね。だから「持ちかけられた」自費出版は、成功する可能性がほとんどないです。
だって、もし出版社が「これは行ける!」と本当に思ったのなら・・・他の出版社に取られるのは嫌だから「ぜひ我が社で!」ってなるはずですよね。
じゃあどうしても本を出版したい場合はどうすればいいのかと。
難しい方法と簡単な方法
一つは、昔ながらの方法ですね。有名出版社が実施している「賞」に応募することです。これはうまく行けば有名作家への道がひらけます。うまく行けばですけど。^^;
もう一つは非常に簡単で、アマゾンでKindle本を出版してしまうことです。これは思い立ったその日にでもできてしまいます。
KDP=キンドルダイレクトパブリッシングという名称です。
手続きも簡単ですし、著者名は本名である必要はありません。気になる手数料も、売れた分から引かれるだけなので、いきなり「出版費用◯◯万円払ってください」なんてことはありません。
気になる手数料は?
通常は価格の65%がアマゾンの取り分となります。
ところがオプションとして「KDPセレクト」というのを選ぶと、アマゾンの取り分は30%となります。つまりあなたの取り分が70%になるということ。
ちなみに著者の取り分は「ロイヤリティ」と呼ばれています。つまりKDPセレクトの場合、ロイヤリティ70%ですね。
KDPセレクトに登録するには費用が必要なのかというと、こちらも無料です。そのかわり、「アマゾンの独占販売」ということになります。
KDPセレクトに登録した本を別のところで売ってはいけないということです。
また、KDPセレクトに登録された本は Kindle Unlimited (KU) とKindle オーナー ライブラリー (KOL)にも登録されます。
Kindle Unlimitedについては以前取り上げましたね。^^
オーナーライブラリーというのは、Kindle専用端末またはFireタブレットを所有している人が、月に1回1冊だけ選んで読むことができる書籍群のことです。
つまり、KDPセレクトに登録すると、あなたの本も無料で読まれる可能性が出てくるということですね。
以上の条件で、ロイヤリティを70%にすることができます。
でもまあ、昔に比べると、というか、比べるのも馬鹿らしいほど、簡単に本を出版できてしまうというわけですね。良い時代になりました。
最後に。
こんな高額塾もあった
このアマゾンでの個人出版を利用した「高額塾」があったことを紹介しておきましょう。
その塾に入ると、
「必ず本を一冊出版することができる」
「本を出版することで社会的地位がアップする」
「億を稼ぐことも可能」
と宣伝されていました。
これを見て、アマゾンの個人出版の仕組みを知らない人は、
「本を出版するなんて大変なことだ」
と、昔ながらの考えを持っていますので、「この塾すごい!」と思ってしまったわけですね。
そして、ウン十万円という高額な料金を払ってしまったと。
ウン十万円を払って教えてもらえるのは、上述したような、アマゾンで電子書籍を出版する方法なんですけどね。
確かに、宣伝内容にウソはありませんけどね。^^;
アマゾンを使えば出版自体は簡単ですし。
何も知らない人に「俺、本を出版したんだぜ」っていばれますし。(笑
奇跡的に売れまくって有名になって収入が億を超えるということも可能性としてはゼロではないですし。