「不安を煽る」というのは、ビジネスでは常套手段と言ってもいいくらいいろいろなところで見かけます。
まあビジネスに限らず、私たちは子供の頃から「不安を煽る」手法でいろいろなことをやらされてきたわけですが・・・それはさておき。
「終わった商法」とは
不安を煽るビジネスでも、特によく見かけるのは「終わった商法」ですね。
いえいえ、商法が終わったということではなく。^^;
「~~は終わった」と宣言することで不安を掻き立てて、それを何らかの商売につなげるやり口です。
まあその・・・ネットビジネスの世界でもよく見かけますよね。
たとえば、
「アフィリエイトは終わった」
これはもう、私がアフィリエイトを始めた10年ちょっと前から言われていたことです。でもその後、アフィリエイト市場はどんどん成長します。
他にも、
「せどりは終わった」
「転売ビジネスは終わった」
「ツイッターは終わった」
「YouTubeは終わった」
「SEOは終わった」
「まとめサイトは終わった」
「Googleは終わった」
「ネットビジネスは終わった」
「インターネットは終わった」
等々。
目にしたことがあるんじゃないでしょうか?
もうこのとおりだと、世界が終わってしまいそうな勢いですね。^^;
で。
その狙いは何か?
かくのごとく「終わった」と宣伝する人は、一体何を狙っているのでしょうか?
たとえば。
「これまでのSEOは終わった」
などと言われると、私たちアフィリエイターはちょっと不安を感じるものです・・・というか、そういうので何度も不安を煽られたものです。^^;
そうして不安を煽った人は次に何を言うかというと、
「これからのSEOは~~でなければならない」
「そのために新しいSEOに対応したこのマニュアルを・・・」
「塾に・・・」
「コンサルを・・・」
と続くわけですね。
つまり、「終わった」と言っておいて・・・
「終わった」と言われれば、それに頼っている人は「じゃあどうすればいいの?」と不安になります。
「え? 今のままじゃ生活できなくなるの?」
と。
そこでその「終わった」を宣伝している人が救世主として現れ、
「私の言うことを聞けば、あなたはこれからも安心して暮らせます」
と告げるわけですね。
となると、不安を煽られた側は安心がほしいですので、
「救世主が現れたありがたい!」
とばかりに、その人の高額塾に入ったり、コンサルを受けたり・・・ということになります。
それのどこが優れているのか?
「終わった」商法が、他の「不安を煽るビジネス」より優れている点は・・・
直接相手を脅さないこと
だと思います。
「あなた、このままじゃ地獄におちるわよ!」
とか。(笑
直接相手のことをどうこう言ったりはしない。
「~~は終わった」
と、「その人」ではなく、環境を客観的に評している風を装うことができます。
「別に不安を煽ってるんじゃなくて、ただ事実を述べているだけですよ~」
と、見せかけることができます。
「あなたは~~」
なんて自分を対象として言われると、
「お前に何がわかる!」
と反発したり、
「こいつ、何を企んでいるんだ・・・」
と怪しんだりしがちですが、
客観的に状況を評している風を装えば、それを聞いている人の「心理的防御」は格段にゆるくなるというわけですね。
優越感に浸りたい?
ということで世の中には、終わった終わったと言う人が多いわけです。
そういえば・・・この「終わった」というのは、一昔か二昔前は、学問の世界で流行っていたようですね。
曰く、
「宗教は終わった」
「歴史は終わった」
「物語は終わった」
「哲学は終わった」
等々。
学問の世界でも、「終わった」というとなんだかかっこいいように思われていたんでしょうね。
「~~は終わった」と言えるということは、自分は何かその次の、新しいことを知っているようなふりをできますので。
「~~は終わった」
と言ってしまうことで、
「キミタチ時代遅れだね。僕なんかもうそのレベルはとっくに通過してるよ」
と、他の人を見下ろせる気分になれたのかもしれません。
まあその「終わった」も終わったようですが。(笑
その後、ビジネスにも取り入れられたということでしょうか。