「2017年現在、日本の景気は良いですか悪いですか?」
と聞かれて、
「いや~、絶好調ですねぇ」
なんて答える人はあんまりいないんじゃないかと思います。
ほとんどの人が、「悪い」と答えるんじゃないかと。
私もそう答えることでしょう。
でも、最近の経済指標を見てみると、事実は「逆」のようなんです。
こちらにいろいろと指標が出ていますが・・・
このページの内容
バブル景気並みの有効求人倍率
たとえば現在の「有効求人倍率」。
これ、1.43倍だそうです。
それに対して、バブルの1990年7月の有効求人倍率は1.46倍。
ちなみに、有効求人倍率というのは簡単に言うと、
求人数÷求職者数
のことです。
つまり、有効求人倍率が1を超えていれば、仕事を探している人の数より、仕事の募集の数のほうが多いということですね。
仕事を選ばなければ、求職者全員が就職できる状態。
これが、バブルの時代は1.46というわけだから、求職者100人に対して、求人数が146人分あったということです。
それが現在は、求職者100人に対して、143人分の求人があるということ。完全に人手不足ですよね。
ちなみに私が東大を卒業した頃の倍率は
それから参考までに、私が東大を卒業した頃は既にバブルは崩壊していて、「就職氷河期」なんて言われた頃ですけど、そのころの有効求人倍率は0.6~0.7くらいだったようです。^^;
その後、20世紀終わるまで、もうず~っと、1未満なんですね。
私たちが就職活動をしたあの時代よりも・・・今は2倍も仕事は探しやすいということになります。
それくらい今は景気が良いと言えそうなんですけど・・・
でも。
実感としてはどうでしょう。^^;
景気の「実感」を示す数字は?
この「景気の実感」を示す数字として
景気ウォッチャー指数(街角景気指数)
業況判断指数
があります。どちらも「DI」と言われることがあるので混同しそうですが別物です。^^;
景気ウォッチャー指数の方は、一般の人が景気をどう感じているかを示すものです。
業況判断指数の方は、企業がどう考えているかを示すものです。
これらをバブルの頃と比べてみますと・・・
実感はバブルの頃より…
景気ウォッチャー指数は、バブルの頃は・・・調査が行われていませんでした。^^;
2017年3月の景気ウォッチャー指数は47.4とのこと。
これ、50を超えると「景気が良い」と感じている人が多い、ということになります。
業況判断指数は、バブルの頃は50前後、現在は12となっています。
業況判断指数は、0を超えていれば、「景気が良い」と考えている企業が多い、ということになります。
つまり。
有効求人倍率を見る限り、現在の景気はバブル時代と遜色ないわけで、もっとみんな浮かれてても良さそうなものなんですけど・・・
「実感」を見ると、
一般の人は「ちょっと景気悪いかな」
企業は「まあ少しは良くなったかな」
と思っているということ。
景気はいいはずなのに、景気が良いとは思われていないということなんですね。
少しずつ上っていくのが良いのかもしれない
長い不景気のせいでマインドが凍りついてしまっているから、溶けるのに時間がかかるということなんでしょうか。
まあ一気に盛り上がって浮かれると、トレンドサイトのアクセスじゃありませんが、落ちるのも早そうですので、じわじわと足元を固めながら上がっていったほうがいいのかもしれませんね。
せっかく景気が良くなってきたのなら、その良い環境を活かして・・・経済的独立のための足場作りに取り掛かる絶好の時期だと思いますよ。^^
アフィリエイトも稼ぎやすくなっていくでしょうから。
最後に。
付録:計算方法
せっかくいろいろ調べたので、景気ウォッチャー指数と、業況判断指数の計算方法も紹介しておきましょう。
景気ウォッチャー指数の計算方法
先に景気ウォッチャー指数から。
これは3ヶ月前と比べた「実感」を、アンケートによって調べます。
対象は小売店の店員さんやホテルの従業員さん、タクシー運転手さんなど「景気に敏感」な職の人が多いそうです。
現在の景気を、3ヶ月前と比べて5段階で評価してもらいます。
良くなっている…1点
やや良くなっている…0.75点
変わらない…0.5点
やや悪くなっている…0.25点
悪くなっている…0点
そして、それぞれ答えた人の割合を、点数とかけた上で合計します。
たとえば、それぞれの回答者数が、以下のような割合になったとしましょう。
良くなっている…55%
やや良くなっている…20%
変わらない…10%
やや悪くなっている…10%
悪くなっている…5%
この場合、以下のように計算します。
55×1+20×0.75+10×0.5+10×0.25+5×0=77.5
ということで、50よりはるかに上なので、「景気が良い」という実感が強いということになります。
業況判断指数の計算方法
次に業況判断指数の計算方法。こちらはもっと単純。
現在の業況と今後の見通しについて、3段階で評価してもらいます。
良い
さほど良くない
悪い
そして計算は至って単純。
良い(%)-悪い(%)
例えば、アンケートの結果以下のようになったとします。
良い…50%
さほど良くない…30%
悪い…20%
この場合、業況判断指数は、
50-20=30
です。
0を超えていれば「景気が良い」という実感があるということですから、30なら「かなり景気がいい」と実感されているということになります。
バブル時代はこれが50前後もあったということですね。^^
ちなみに、バブル崩壊直後はマイナス40程度、リーマンショックの頃はなんとマイナス60程度まで落ち込んでいます。^^;
その頃に比べると今は12ですから、まあまあまあ・・・よくなってきたということですね。