副業として投資系のビジネスを考えている人も多いと思います。
で、中には「へ~、こんなのもあるんだ」なんて、思ってしまう投資案件もあって・・・
まあ最近では仮想通貨が注目されているのではないでしょうか。
でも今回は仮想通貨の話ではなく、ちょっと前に注目された「ワイン投資ファンド」の話です。
ワインファンドの仕組み
その仕組みはこちらに書いてありますが・・・
この図はごちゃごちゃしてわかりにくいですね。^^;
簡単説明すれば、
・「ワイン投資」案件で多くの人から資金を集める
・その資金で将来値上がりしそうなワインを買う
・思った通り値上がりしたら高値で売る
・利益を出資者に分配する
というものです。
安く仕入れて高く売る、それだけ。
たとえば田中さん(仮名)が、100万円をワイン投資ファンドに渡したとしましょう。
で、100万円で買ったワインが2年後130万円になったとしましょう。
そうなったらワインファンドはそのワインを130万円で売って、何%かの手数料を抜き取って、残った百数十万円を田中さんに返す、というわけ。
うまくいけばそうなるということですね。うまくいけば・・・
ただ、なかなかうまくいかないようで、「詐欺」にまで手を染めてしまったワインファンドがあります。
それが「ヴァンネット」というワインファンドです。
ワインを仕入れないワインファンド?
値上がりするはずのワインを仕入れても失敗することが多いものだから、ヴァンネットはどうしたかというと・・・
ワインなんて買わずに、単にお金を右から左に動かすだけにしました。
どういうことか?
たとえば1年目、田中さんから100万円預かったとしますね。
真面目にやるなら、この資金で値上がりしそうなワインを買います。
ところがそうしなかった。この100万円は手元においておきます。
で、どうするのかというと、次の年、別の人、鈴木さん(仮名)から100万円を預かります。
そうしておいて、この鈴木さんのお金から10万円を抜き、田中さんから預かっていた100万円と合わせて、田中さんに返すわけです。
(これをポンジ・スキームと呼びます。)
そして限界が来る
そうすると、田中さんは110万円受け取れますので、
「ワインファンドすごい! 1年で10%もお金が増えた!」
と喜ぶわけですね。ヴァンネットはそれを宣伝に使います。
「お客様の喜びの声」
です。^^;
そうすると、年々、前年より多くの資金を集められますので、利益が残る範囲内で、前の年の出資者にお金を返せますよね。
まあ1年で10%増えるんだから、次の年の出資者と言っても「リピーター」が多いのでしょうけど。
こうして、ワインに投資しない「ワインファンド」がお金を集め続けたわけです。
でもこれって・・・いつか限界が来ますよね。^^;
限界が来た時、ヴァンネットは破綻してしまったというわけです。
さて。
騙されるのも無理も無い話
なぜ多くの人が、この詐欺的なファンドにお金を投じてしまったのかというと・・・
まあ、有名な人が推奨していたというのもあるでしょう。
内藤忍という、投資本をたくさん書いている有名な人が、「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」という本を書いて推奨していましたから。
「あ、こんな有名な人がすすめるんだから大丈夫だよね」
と思った人がいても無理はありません。
もう一つの理由としては、「ワイン好き」が多いことも挙げられます。
ワインが好きなら・・・
「ワインに投資して儲けられますよ」
って言われれば、興味を惹かれますよね。
それに、もし仕入れたワインが値上がりしなくても、
「現物のワインはありますので、それを自分で飲むこともできます」
って言われたら・・・ワインが好きな人は「じゃあいいかな」って思うでしょう。
値上がりして儲かる確率が高い。
値下がりしたとしても、最低でもワインは手に入る。
ということで、しかも有名な人が推奨していたら・・・お金を出してしまっても不思議ではありません。
どうすれば騙されずにすんだのか
ただ、反省すべき点があるとすれば、
「自分は何もせずに、楽して儲けたい」
という人が、大量にだまされているということです。
自分は何もせず、ファンドにお金を預けるだけで、年10%も20%も増やしてもらえるということで、預けてしまったわけですからね。
ここはやはり、ワイン好きであれば、自分でいろいろ調べてみるべきだったのでしょう。
まあいろいろ調べた人は、お金は出さなかったのでしょうけど。
「ファンドになんか任せない、自分で仕入れる」
という意気込みの人は、まず騙されなかったでしょうね。
最後に。
詐欺的なワインファンドがあったからと言って、すべてのワインファンドがそうであるわけではありませんので、その点は誤解なきよう。