「なに突然遺伝子の話しちゃってんの?」
と思うかもしれませんが(笑
前回の記事で「日本人は慎重な人が多い」と書きました。
要するに日本人は生まれつき「ネガティブ」な人が多いんです。
それで、それについて疑問に思う人もいらっしゃるでしょうから
今回はセロトニントランスポーター遺伝子について
お話ししてみたいと思います。
このページの内容
セロトニントランスポーター遺伝子とは
セロトニントランスポーター遺伝子というのは
その名の通りセロトニンの伝達に関係している遺伝子です。
「じゃあセロトニンってなに?」ということになりそうですが、
セロトニンというのは神経伝達物質の一つです。
まあ簡単に言うと、私たちの体の中で、
情報を伝達するために働いている「連絡員」と
考えておけばいいでしょう。
「安心情報」を伝えるセロトニンさん
で、この連絡員のセロトニンさんは、
私たちを安心させるような情報を主に伝えます。
だから、セロトニン分泌が多い人というのは、
精神が安定していると言われます。
逆にセロトニンが不足することで
鬱になってしまうこともあるようです。
それで。
ポジティブ遺伝子→働き者のセロトニンさん
セロトニントランスポーター遺伝子なのですけど、
この遺伝子のタイプによって、
連絡員のセロトニンさんが働き者かどうか決まるそうです。
セロトニントランスポーター遺伝子には、
SS、SL、LLと3タイプあります。
サイズじゃありませんよ?(笑
で、LLタイプだとセロトニンさんはすごく働きものです。
だから、LLタイプのセロトニントランスポーター遺伝子を
持っている人は、すごく楽観的な性格になります。
それでLLタイプのセロトニントランスポーター遺伝子を指して
「ポジティブ遺伝子」と呼ぶこともあります。
逆にSSタイプは「ネガティブ遺伝子」と呼んでもよさそうです。
セロトニントランスポーター遺伝子がSSタイプだと
不安を感じやすい性格で慎重になりやすいです。
さて。
日本人のセロトニントランスポーター遺伝子は?
そこで日本人の話になりますけど、
日本人の場合、SSタイプがなんと、3分の2強を占めると言われています。
つまり3人中2人はネガティブ遺伝子の持ち主なんです。
じゃあLLタイプは?
日本人でLLタイプのセロトニントランスポーター遺伝子
つまりポジティブ遺伝子を持っている人は
3%未満と言われています。
ポジティブ遺伝子の持ち主は100人中3人もいないわけです!
アメリカ人のセロトニントランスポーター遺伝子は?
では、前向きと言われるアメリカ人はどうか。
アメリカ人の場合は、なんと、LLタイプ、
つまりポジティブ遺伝子の持ち主が3分の1近くいます。
SSタイプ、つまりネガティブ遺伝子は2割未満です。
遺伝子的に見ると、アメリカ人のほうが
日本人よりもはるかに楽観的なのがわかりますね。
なぜ日本人がこんなにSSタイプが多いのかというのは
気になるところですが・・・
地震や台風など、自然災害の多い国ですので
慎重な人が生き残ってきたということなのかもしれませんね。
ネガティブ遺伝子=欠点、ではない!
日本人が遺伝子的にネガティブだということを聞いて、
それでまたさらにネガティブな気分になってしまいそうですが(笑
その必要はありません。
なぜなら、遺伝子が全てを決めるわけではないからです。
遺伝子が左右するのは一部に過ぎません。
だって、一卵性双生児でさえ、
まったく違った人間に成長してしまうことは
珍しくないわけですから。
それに、SSタイプのセロトニントランスポーター遺伝子を
持っているからこそ、「人格を磨く」という
発想も強くなるのかもしれません。
ですのでデメリットだけではないんですね。
要はデメリットの部分を意識しつつ、
メリットを活かしていけばいいということになります。
「慎重である」というのはメリットになりますし、
SSタイプで「不安を感じやすい」ということは
「人の痛みを理解しやすい」ということでもありますので
人に優しくもなれます。
そういうメリットを生かしつつ、
慎重すぎてなにも行動に移せない、ということを避けるために、
前回お話したような「考えるために行動する」という方針を
取り入れていけばよさそうです。