えーと、虫についての話ではなく、投資の世界における「イナゴ」と呼ばれる存在についての話です。^^
元の意味
「イナゴトレーダー」とか「イナゴ投資家」と呼ばれる人たちがいます。
どういう存在かというと・・・いやこれ、昔と今では意味が違うみたいなんですね。
昔は、年末資金のために、秋頃に株を売り払う人が多くて、その後の相場がなんとなくイナゴに食い荒らされた田んぼみたいだということで「イナゴ投資家」と呼ばれたみたいです。
「自分で調べない、考えない」
これが、今は違っていて、盛り上がっている銘柄に一斉に群がって、天井を付けたと見たら一斉に去っていくようなトレーダーを指します。
特に今は、インターネットで情報が手に入りますので、自分で調べたり考えたりということはせず、話題になっているとか、有名なトレーダーが推奨したというだけでその銘柄を買いに走るようなトレーダーがイナゴと呼ばれます。
つまりかつてはニュートラルな意味だったのでしょうけど、今は「自分で考えない、調べない」というニュアンスを含んだ蔑称のように使われることが多いです。
ただ、馬鹿にする人がいるからと言って、イナゴトレードが儲からないのかというとそうではないようですね。
勝つイナゴ
特に、ザラ場を見ることができて、株価の動きに対してすぐに対応できるような人は、イナゴトレードでも十分勝つことができるようです。
そういう人はまず、信頼できる情報源を日頃から絞り込んでいます。
最近では、ツイッターによる情報が早いですから、たとえば信頼できるトレーダーを複数選んでおいて、そのトレーダーの情報に基づいて即行動する、などですね。
情報を得たら即行動する、そして間違っていたと思ったら即撤退する、つまり勝っているイナゴトレーダーは決断力があって行動も速い、という特徴があります。
その点で「イナゴ」と馬鹿にできたものではないんです。
しかも日頃から情報収集とその吟味に余念がないわけですからね。
負けるイナゴ
これが、決断力もなく、行動も遅いイナゴとなると・・・いわゆる「養分」となってしまいます。^^;
せっかく情報を得ても、どうしようどうしようと迷った挙句、やっと買った頃にはもう株価は天井になっていて落ち始めるということになります。
そうなると今度は、損切りはどうしようと・・・ここでも迷って撤退が遅れ、損失を膨らませることになります。
こういうのは損をするイナゴトレーダーということになります。
ここで面白いのは。
同じ手法を採用しても明暗が分かれる
採用している方法は同じなんです。どちらも「イナゴトレード」。でも、かたや勝利を収め、かたや惨敗して退場、それくらいの違いが生まれるというところ。
同じやり方であっても、決断力があって行動の速い人と、そうではない人とでは、全く逆の結果が出てしまうというところ。
そういうことはアフィリエイトでもありそうですね。^^;
昔の職人と同じ?
それからもう一つ興味深いのは、イナゴトレーダーの中にも、成長して「イナゴ卒業」となる人が多いということ。
これは負けて退場という意味ではなく、有名トレーダー頼りのトレードから脱却するという意味です。自分で全て判断できるようになるという意味。
まあそれも不思議ではないですよね。
有名なトレーダーを何人か選んで、ずっと観察しているのでから、ある日、
「ああ、そういうことか」
と気づく日が来てもおかしくはありません。
ほら、昔の職人さんは、師匠のもとでずっと働くだけで、技術を教えてもらうのではなく盗んだと言うじゃないですか。あれと同じ。
なのでその点でも「イナゴ」と馬鹿にできたものではないんです。
優れた人をモデルにして、その人の真似をすることでその人に近づいていくという、まあ、何かを身につける方法としては良い方法だと思います。
いつまでも「人だより」という気分では成長はできないでしょうけどね。