まずRSIに関する一般的な説明。次にあまり知られていない(かも知れない)説明をします。
RSIは「Relative Strength Index(相対力指数)」の略です。
RSIの計算式と設定期間
こう書くとなんだか御大層なもののように思えますけど、計算式自体は単純です。
A=指定期間内の値上がり幅の合計
B=指定期間内の値下がり幅の合計
とすると、
RSI=A/(A+B)*100
となります。つまり、値上がり幅と値下がり幅の合計のうち、値上がりが何%を占めるか、という数字ですね。
だからその数値はゼロから100までとなります。
次に設定期間ですが、短期では14日、中長期ではその3倍の42日、週足であれば9週、13週を用いることが多いです。
一般的な見方
RSIの見方として最もポピュラーなのが「オシレーター」として見る使い方です。つまり「買われすぎ、売られすぎ」を判断する材料。
たとえば、RSIが70~80より上になったら「買われすぎ」を疑い、30~20より下になったら「売られすぎ」を疑うということ。
でもこれ、RSIだけ見て判断していると大失敗に終わることも多いです。^^;
たとえば、RSIが0近くになったからと言って、
「よし、ここから反転するに違いない、逆張りだ」
なんて買いで入ったけど・・・そのまま株価は落ち続ける、RSIは0に張り付き・・・ということもよくあります。^^;
これは、RSIがゼロに近いということは、指定期間内でほとんど値下がりしているということで、つまりは「強い下降トレンド」かもしれないということだからです。
なので、以上のような使い方をする場合は、ローソク足が上昇トレンドを描いているのを確認して、その「押し目」を狙うために利用する、というのがよさそうです。
節目を意識した見方
もう一つ、あまり知られていないかもしれない使い方としては、
「RSIの節目を意識する」
というものです。
つまり、ローソク足を見るときと同じように、RSIのグラフの高値と安値にも水平線を入れ、それをレジストライン、サポートラインと考えます。
そして、RSIがレジストラインをブレイクしたら「上げ」、サポートラインをブレイクしたら「下げ」と考える、という使い方。
この使い方であれば、最初に紹介した、単純に「80%以上、20%以下を見る」使い方のように「はりつけ」にあう心配はありませんね。
一般的なダイバージェンスの見方
最後に「ダイバージェンス」について。
ダイバージェンスというのは日本語で「分岐」という意味ですが、テクニカルにおいては、
「株価とそれ以外のテクニカル指標が逆方向へ進む」
ことを意味します。
ここではRSIを扱っていますので、株価は上がっているのにRSIは下がっている、または株価は下がっているのにRSIは上がっていることを指します。
この場合、
「トレンド転換の予兆」
とされることが多いです。
すこし変わった見方
ただもう少し詳しく見ていくと、RSIがレンジ内で動いている場合と、上昇・下降いずれかの方向性を持っている場合があります。
RSIがレンジ内で動いていて、ローソク足チャートが上下いずれかに向かっている場合は、通常のダイバージェンスと考えられます。
一方、RSIが上下いずれかの方向性を持っているにもかかわらず、ローソク足チャートがこれを逆の方向に向かっている場合は「リバーサル」と呼ぶこともあります。
たとえば、RSIがサポートラインを下に抜けているにも関わらず、ローソク足チャートの方はどんどん上昇している、といった場合です。
この場合は、
「RSIが下に引き込もうとしているのに、ローソク足チャートはそれを振り切って上昇している」
ということで、トレンドが転換するどころか、かえって「強いトレンドが発生している」ということもあります。
だから安易に、「ダイバージェンス=トレンド転換」と考えることはできません。