PIVOT(ピボット)というのは、前日の「高値」「安値」「終値」を根拠に、その日の値動きの目安を設定するテクニカル指標です。
ピボットを簡単に言うと…
簡単に言うと、
「昨日これくらいの値動きだったから…」
「今日はこれくらいの範囲で値が動くだろうな」
というもの。
特に難しい計算はせずに算出できるので、先に計算式を見たほうがわかりやすいかもしれません。
ピボットの計算方法
Hを前日高値、Lを前日安値、Cを前日終値とします。
P(ピボットプライス)=(H+L+C)÷3
Pは要するに3つの値の平均ですね。^^
D1=H-P…平均と高値の差
D2=P-L…平均と安値の差
D3=H-L…高値と安値の差
とすると、ピボットの各ラインの計算式は次のようになります。
- HBOP(High Break Out Price)=P+D2+D3
- R2(上値抵抗2:レジスタンス)=P+D3
- R1(上値抵抗1:レジスタンス)=P+D2
- ピボット(P)=(H+L+C)÷3
- S1(下値支持1:サポート)=P-D1
- S2(下値支持2:サポート)=P-D3
- LBOP(Low Break Out Price)=P-D1-D3
各ラインは単純な名称
それぞれのラインの呼び名は単純にできていますね。
Rはレジスタンスで、Sはサポート、という解釈で良さそうです。
HBOPとLBOPは、ほとんどそのままの意味ですね。
ピボットをわかりやすくイメージすると…
たとえば。
R1は上値抵抗線1ということですが、これは平均であるPに、前日の「平均と安値の差」を足したものとなっています。
つまり、前日下に振れた分が、次の日の上の抵抗線とされているわけです。
ということは、前日深く潜れば潜るほど、次の日の上値抵抗線は高くなります。
S1はその逆になっていますよね。
前日高く飛び上がれば飛び上がるほど、次の日の下値支持線は低くなります。
つまりピボットの各ラインは。
前の日に思いっきりしゃがんで、次の日にジャンプした高さがRのライン。
前の日に思いっきり飛び上がって、次の日ダイブした低さがSのライン。
とイメージすることができます。
ただ、「どれくらいしゃがんだか」「どれくらい飛び上がったか」は平均=Pから計算しますので・・・
「終値」が高くなれば平均Pも高くなって、飛び上がった高さより、しゃがんだ低さのほうが大きくなるでしょう。
つまり次の日に大きくジャンプしやすいです。
逆の場合は逆になります。(笑
ゴムバンドをイメージしても良さそうですね。
前の日にグーンと長く引っ張るほど、次の日の反対側への反動が大きいと。
ピボットとはそういうイメージです。
ピボットの使い方
それぞれの使い方はもう、その名前に示されています。
つまり、サポートとして使う、レジスタンスとして使うということ。
「そのラインから反転するだろう」
「突き抜けたら損切り、またはブレイクアウトを狙う」
ということになります。
ここまでは、「1日の値動き」の目安にするために、日足をもとに計算してきましたけど、分足や時間足、週足をもとに計算することもできます。
その場合は、「前の足を参考に、次の足の変動幅の目安を設定する」ということになりますね。