まず損切りとは何かについてですね。
損切りとは何か?
これは、買いから入っても売りから入ってもいいのですけど、自分の予想とは逆に動いた場合に、あらかじめ決めておいた値で手仕舞ってしまうことです。
たとえば、100万円で買った株が、90万円に下がったら売ってしまう、ということですね。
なんのためにこんなことをするのかというと、それ以上損失を拡大させないためです。ここからさらに株が暴落して、100万円だったものが10万円になったりしたら大変ですからね。^^;
この「損切り」というのは、トレードやる上で最も大事なことの一つと言われています。
前にも書きましたが、天才的なトレーダーとして名高いエド・スィコータ氏は、
「1に損切り、2に損切り、3に損切り」
と言っているくらいですからね。
とにかく生き残らねばトレードは続けていけないし、続けることができなければ上達もしないし、上達しなければ稼ぐこともできない、というわけ。
「まずは生き残れ、儲けるのはそれからだ」(ジョージ・ソロス)
損切りの基準
損切りが大事なのは分かったとして、どこで損切りをすべきか、それはポジションを取る前に決めておかねばなりません。
で、気になるのはその基準ですよね。どういう基準で損切りラインを決めるのか。
エントリー時の値から算定
まず、最も単純な方法としては、「エントリー時の値から○%逆に動いたら損切り」というものがあります。
たとえばキャンスリムによる成長株投資で有名なウィリアム・オニール氏は「買った時の価格から7~8%下がったら損切り」という基準を推奨しています。
口座残高から算定
次に、トレードに用いる資金を基準に、損切りラインを決める方法もあります。
これは例えば、証券会社の口座に1000万円入れているとすれば、その2%、つまり20万円をリスクにさらしてよいことにして、それを基準に損切りラインを決めます。
この方法だと・・・最初に100万円で株を買ったとして、損切りラインを80万円に設定すると、もうそれ以上は買えないことになりますね。^^; 損切りに使っていい20万円をこの一つのポジションで全部使ってしまっていますので。
損切りラインを90万円に設定すれば、損切り用資金があと10万円残りますので、また別のポジションを立てることができそうです。
テクニカル指標から設定
3つ目の方法として、テクニカル指標を基準に損切りラインを決める方法がります。
これは、サポートラインやレジストライン、トレンドラインなどをブレイクしたところに損切りラインを設定しておく、というやり方です。
以上、代表的な3つの方法を紹介してみましたが、どの方法を採用するのであれ、期待している「儲け」よりも小さい値幅であることが大事でしょう。
たとえば「20万円儲かるはず」と期待しているのなら、損切り幅は10万円にしておくなど。
もしこれが、損切り幅のほうが常に大きい状態だと、例えば勝率5割なら、トレードすればするほど資金が減っていくということになりますからね。^^;
さて。
損切りしないで儲ける?
以上のごとく、大事な損切りなのですけど、「損切りしない」という人も結構いるんです。それでいて稼いでいる。
両建てでは…
それは「両建て」してるからなんじゃないの?と思う人もいるかもしれませんが、そうではありません。
両建てというのは、「買い」も「売り」も持つということです。
例えば100万円で買った株が90万円に下がった場合、そこでそのポジションを手仕舞ってしまうのではなく、新たに同じ株を同じ量「売り」立てます。
そうすることで損失は固定されますよね。
でもこれ、結局は売っているわけですので、実質的に損切りしているのと変わりません。ただ、精神的には大きく影響するので、こういう方法を取る人は多いです。
それで、じゃあ実質的にも損切りしない方法とは?
バリュー投資の場合
たとえば、バリュー株投資をしている人にも損切りしない人は多いです。
バリュー株投資というのは、ある会社の株の値段が、その会社の価値と比較して明らかに安い、と言う場合に、その株を買う方法。バフェット氏などが有名ですね。
「明らかに安い」と見込んでいるわけなので、一時的な下落は無視してずっと持ち続けるというわけです。
ただこの場合、その会社を適正に評価するための知識が必要です。
チャートを見ただけで「何となく安いなぁ」で買ったのでは、さらに値下がりして何十年も含み損を抱えたまま、ということになりかねません。
うねり取りの場合
また、少数の銘柄に絞り込んで、延々と売買を繰り返す「うねり取り」をしている人にも、損切りせずに稼いでいる人はいます。
もちろん、うねり取りでも損切りしないのは少数派だとは思いますが・・・
少数の銘柄を「専門」に扱うことで変動感覚を掴み、その辺で株価が反転するか「だいたい」掴んでいるというわけです。
それでもピンポイントで反転タイミングを当てることはできませんので、分割売買で対応します。
分割売買というのは・・・まあ名前のとおりですが、1回で全部売買するのではなく2~3回に分けて売買するということですね。
例えば2回に分けるとすると・・・
90万円が底だと思ってそこで買ったところ、さらに80万円まで下がったのでまたそこで買うと・・・平均85万円で買ったことになります。買値が少し有利な方へ動いたわけです。
これってよく「やってはいけない」と言われる「ナンピン」と何が違うの?
と思ってしまいますが、銘柄を絞り込むことで、その株価の「リズム」「うねり」を掴んでいるという点で、ナンピンとは違うとのこと。
FXで可能!?
最後に・・・これは例外的ですが、FXで損切りをせずに稼いだという人もいます。
どうするのかというと、レバレッジ1倍でトレードするんですね。
FXではレベレッジをきかせてトレードすることが多いです。
たとえば100万円を口座に置いて500万円ぶんトレードする場合。これはレバレッジ5倍ですね。
それを1倍でやる。つまりレバレッジなし。
これをドル円でやるとすると、かたやドル、かたや円ということで、会社のように倒産してしまう危険はまずありません。
なのでずっと持ち続けていてもレバレッジ1倍であれば資金がゼロになることはなく、強制ロスカットになることもない、というわけです。
それで利益が出たところで手仕舞うというわけですね。
ただもちろん、予想と逆に行くことだって多いですから、その間は含み損に耐えねばなりません。
また、レバレッジをきかせないわけですので、相当大きな資金がなくては満足な利益は上げられないでしょう。