ある有名な人が
「私はRCIマイナス100張り付きで買いを入れるのが得意です」
なんて言ったということで、有名になった(?)テクニカル指標RCIですが。
その計算式は複雑怪奇ですが、使い方は単純です。
なので先に使い方を説明し、あとで計算式を取り上げてみましょう。
では概略と使い方。
RCIの概略
RCIの数値は、マイナス100からプラス100までありますが、一定期間に下がる勢いが強いほどマイナス100に近づき、上がる勢いが強いほどプラス100に近づきます。
「一定期間」というのはRCIにも対象とする期間があるからです。
期間にはいろいろあるようですが・・・ハイパーSBIのNEWチャートでは5日、9日、13日、18日が表示されているようです。
「ようです」というのは、「日」とも「週」とも書かれていないので。^^;
ただRCIのグラフの変化から「日」なんだろうなと判断した次第です。
たとえば、最近5日間、毎日株価が下がり続けていたとしたら、本日の5日RCIはマイナス100となっているはずです。
なので使い方としては・・・
テクニカル指標RCIの使い方
自分のトレードの時間軸に合わせて、RCIの期間も選ぶことになりますが、RCIがマイナス100に近いところから反転して上昇を始めたら・・・「買いかな?」という一つの判断材料になると。
逆にプラス100に近いところから反転して下がり始めたら「そろそろ売りかな?」となるわけですね。
また、ゴールデンクロスやデッドクロスを見る使い方もできます。
RCIの短期線が長期線を、下から上に突き抜けたら「買いかな?」、上から下に突き抜けたら「売りかな?」と考えるということです。
もちろん、RCIだけでは判断できませんが、使いやすいと感じたなら使ってみてもいいかもしれません。
さて。
RCIの計算式
次にRCIの計算式ですが。
このようになっています。
{1-6d/(n^3-n)}*100
このうち、「d」は対象期間の
「それぞれの日付の順位と価格の順位の差」を2乗し
すべて合計したもの
です。
「n」は期間です。
・・・・・はい、さっぱりわかりませんね。^^; 文系の私には何がしたいのかさっぱりです。
実際に計算してみよう
ということで、実際に数字を当てはめて考えてみましょう。
5日RCIの計算をすることにします。期間が長いと大変なので。^^;
で、仮に今日の日付を9月5日としましょう。そして9月5日のRCIを計算します。
株価が上がり続けた場合
最近5日のある銘柄の株価が以下のように推移したとします。
9/1・・・100円
9/2・・・110円
9/3・・・120円
9/4・・・130円
9/5・・・140円
計算には「それぞれの日付の順位と価格の順位の差」が必要なので、それぞれに順位をつけます。
日付の順位は、本日を「1位」とし、過去に遡るほど順位が下がっていくだけです。だから上の例では、9月5日が1位で、9月1日が5位。
価格の順位は、価格が最も大きいものが1位です。だから140円が1位で、100円が5位。
これを用いて「d」を計算すると? dは
「それぞれの日付の順位と価格の順位の差」を2乗してすべて合計
なので、
9月1日は日付が5位で価格も5位だから
(5-5)^2=0
同じように計算すると、
9/2・・・(4-4)^2=0
って・・・あとは計算しなくてもいいですね。5日間全部「0」になりました。これを5日分全部合計しても0なので、
d=0
となります。
そうすると、9月5日のRCIは、
{1-6*0/(5^3-5)}*100=100
となりました。
つまり、最近5日間毎日株価が上がり続けた結果、9月5日のRCIは100になったということです。
株価が下がり続けた場合
じゃあ、下がり続けたことにしてみましょうか。
9/1・・・140円
9/2・・・130円
9/3・・・120円
9/4・・・110円
9/5・・・100円
となったと。日付の順位と価格の順位を①~⑤で書き込むと
9/1⑤・・・140円①
9/2④・・・130円②
9/3③・・・120円③
9/4②・・・110円④
9/5①・・・100円⑤
こうなりますね。で、それぞれの日の、「順位の差の2乗」を計算すると、
9/1・・・(5-1)^2=16
9/2・・・(4-2)^2=4
9/3・・・(3-3)^2=0
9/4・・・(2-4)^2=4
9/5・・・(1-5)^2=16
となりました。これを全部足すと。
16+4+0+4+16=40
となりました。つまり
d=40
です。これで9月5日のRCIを求めると、
{1-6*40/(5^3-5)}*100=-100
マイナス100となりましたね。^^
最近5日間株価が下がり続けた結果、9月5日のRCIはマイナス100となったわけです。
100、-100に張り付くということは?
これ、同じく下降トレンドでも、途中で一旦株価が上がったりすると、マイナス100にはならないことは、計算してみるとわかります。
たとえば価格の1位と2位を入れ替えて計算してみるといいです。
つまり、マイナス100に張り付くということはRCIの対象期間中「毎日下げ続けている」ということですし、100に張り付くということはその逆です。
対象期間中に、一旦押したり戻したりした場合は張り付いたりはしないんですね。