ストキャスティクスはオシレーター系のテクニカルとして用いられることが多い指標です。
最初にその計算方法を見ておきましょう。
ストキャスティクスの計算方法と設定期間
ストキャスティクスには%K、%D、%SDと3つの数字があります。えーと、面倒なので「%」という記号は省略して書きますね。^^;
で、K、D、SDなんですが、まずKの計算から。
%K=(今日の終値-過去n日間の最安値)÷(過去n日間の最高値-過去n日間の最安値)×100
となっています。
n=5として使うことが多いので、5日間として説明しますと・・・
最近5日間の値幅の中で、今日の終値がどれくらいに位置するのか、というのがストキャスティクスのKという数字です。
たとえば、最近5日間の最高値が2000円、最安値が1000円としましょう。で、今日の終値が1800円。
とすると、今日のKは?
%K=(1800-1000)÷(2000-1000)×100=800÷1000×100=80
ということになります。つまり最近5日間の最安値より80%上にあるということですね。^^
これがK。
あとは移動平均を取るだけ
次にDは何かというと、これは単純、Kの移動平均です。3日間の移動平均であることが多いです。
SDはさらにDの移動平均です。これも3日間であることが多いです。
結局のところ、「ストキャスティクス」なんて大層な名前がついていても、中身は単純ということですね。^^
- 最近5日間の高値安値の間のどこに位置するのかがK
- Kの移動平均がD
- Dの移動平均がSD
単純です。
週足で見るなら、上記の「日」がすべて「週」に置き換わります。
RSIとの違い
RSIとの違いを見ますと、RSIは「値幅」で計算していましたね。
RSIは値幅で計算しているので、RSIゼロだったのが次の日いきなり100になるということはありえません。
でもストキャスティクスのKの値は、値幅ではなく終値で計算されているので、昨日ゼロだったものが今日100になるということはありえます。
だからこそ、RSIとちがって、ストキャスティクスではさらにD、SDという数値を見ていくことになります。
ファスト?スロー?
KとDだけを見る方法を「ファスト・ストキャスティクス」といいます。ファストというのは、Kの動きが上述のごとく速いからですね。
でもこれでは値動きに惑わされてしまうということで、DとSDだけ見ていく方法もあります。
こちらは「スロー・ストキャスティクス」といいます。ファストよりもスローのほうが人気があるようです。
ストキャスティクスの見方
では次に、ストキャスティクスの見方使い方。
まず最も単純な見方は・・・RSIなどでもよくある見方ですが
- 20以下なら売られすぎ
- 80以上なら買われすぎ
と見る方法。
もちろんファーストでもスローでも見ることができます。
次に、せっかく複数の線があるので・・・複数の線といえば「ゴールデンクロス」「デッドクロス」を見る方法がすぐ思い浮かびます。
ということで、ストキャスでもこの見方は有効です。
ストキャスが下がっていって、20を下回ったら
「そろそろかな・・・」
と考え、反転してDがSDを上抜いたら、
「ゴールデンクロスだ」
と、みなすわけです。
ダイバージェンス
ローソク足とのダイバージェンスを見る使い方もありますが、これはRSIでダイバージェンスを見る方法に準ずればよいでしょう。
MACDとの組み合わせ
MACDとスローストキャスティクスを組み合わせた方法も人気があります。
- MACDが底から反転した
- またはMACDがゴールデンクロスした
- もっと確実にゴールデンクロスした上で0ラインをブレイクした
以上のようなMACDの変化に加え、スローストキャスティクスが0に近くて「売られすぎ」を示している・・・
こういう条件が揃ったら「買い」でエントリーするという方法です。
ストキャスティクスは基本的にオシレーターなので、これだけみて「売られすぎ」「買われすぎ」を判断すると「はりつけ」になる危険があるので、ローソク足やMACDなど、ほかの指標も見ていくというわけですね。