損切りが大事だということは前回書いたのですけど、肝心の損切りラインの方法については軽く触れた程度でしたので、今回詳しく見ていきたいと思います。
損切りラインの決め方として、次の3つを紹介したのでした。
・エントリー時の金額から算定
・投資資金=口座残高から算定
・テクニカル指標を元に設定
失敗する確率が高い?
エントリー時の金額から算定するというのは単純で、エントリーした時の金額から何パーセント、あるいは何円、期待と逆に動いたら損切りする、と決めることです。
たとえばオニール氏は、購入時の価格から7~8%株価が下がったら損切りすることを推奨しているということでした。
それから、口座残高から算定するというのは、例えばよく言われる基準として、「口座残高の2%しかリスクにさらさない」というのがありますね。
これを元に損切りラインを設定するということです。
ただ、以上の方法は失敗する確率が高いとも言われています。なぜなら「心理的抵抗」にあってしまうから。
何%あるいは何円と決めた場合、その根拠があやふやなので、「ひょっとしたら値段が戻ってきて損失が消えるんじゃないか」なんて期待してしまうんですね。
その結果、損切りが遅れてしまう。
納得しやすい基準を
だから3つ目のテクニカル指標を元に損切りラインを設定するのが良い、と主張する人も多いわけです。
支持線や抵抗性をブレイクしたら・・・などを基準にして損切りラインを設定するということですね。
これなら「テクニカル指標」という一応の根拠がありますので、心理的抵抗も少ないということになります。
ただそもそも「心理的」抵抗ですので、結局のところは人それぞれ、最も抵抗の少ない基準を選べば良い、ということになりそうです。
同値撤退は魅力的だけど…
もう一つは損切りとはいえないですが、手仕舞いの基準として「同値撤退」を協調する人も多いです。
これはエントリーした時と同じ値段でエグジットしようというものですね。
たとえば100万円で株を買った場合。期待に反して、株価が上がっていかないようならすぐに手仕舞ってしまうということです。
一瞬にして下がってしまった場合はどうするかというと、その一瞬で手仕舞いします。この場合は同値撤退とはなりませんが、損失を最小限に抑えます。
でもこの方法を採用するには・・・いくつか条件がありますよね。
まずエントリーを厳しく吟味する必要があります。
まあそれは、普通に損切りラインを設定するときでも同じなんですけど、一瞬でもマイナスを許さないということになれば、更に厳しくならざるをえないでしょう。
でも逆に考えれば、日頃からそれくらい、最大限に厳しくあるべき、だとも考えられますね。
もうひとつ、トレード期間が長くなるほど難しくなるでしょう。
いくら上昇トレンドにある株でも、一時的に買った時より下に振れることはよくあることで、それをまったく許さないとなると、「手仕舞ってばかりいる」ような状態になってしまいそうです。
これがデイトレードであれば、同値撤退もいくらかやりやすくなるわけですけどね。
ただそれでも、一瞬でも含み損は許さない、という手法は、非常に魅力的ではあります。