テクニカル指標を元に損切りタイミングを決めると、一応の根拠があるので心理的な抵抗が少ないということを以前書きました。
たとえば支持線や抵抗線をブレイクしたら損切り、という方法ですね。
ATRを使う場合も同様です。
ATRとは
ATRというのはアベレージトゥルーレンジ(Average True Range)の略ですが、要するに過去数日間の値幅の平均のことですね。
で、その平均の値幅をブレイクしてしまったら損切りする、という方法です。
逆にブレイクをエントリーサインとして利用するなら、ブレイクしきれずにレンジに戻ってきたところで損切り、ということになりますね。
狙われる!?
で、どれにしても良い方法ではあるのですが、ある場合には非常に不利になることもあります。
そのある場合とはどんな場合か?
現在は、アルゴリズムつまりコンピューターのプログラムによって機関投資家が自動的に売買をしています。
そういうアルゴリズムは、我々個人投資家に損をさせる=はめることで利益をえるように作られています。
ということは?
バレバレの損切りタイミング
上述したようなテクニカルな指標の場合、チャートさえ見れば「誰にでもわかる」わけですよね。
アルゴリズムを作っている人からすると「あの値段で多くの人が損切りを設定しているはず( ̄ー ̄)ニヤリ」とわかってしまうわけです。
バレバレというわけです。^^;
となると当然・・・「あの値段で損切り設定している多くの人に損切りさせて、こちらが安く買い取ってやれ」というアルゴリズムを作るでしょう。
つまり、ATRや支持線抵抗線などテクニカルを根拠にした損切りラインというのは「狙われやすい」わけです。アルゴリズムに狙われる。
では、テクニカル指標を元にした損切りタイミングというのは役に立たないのかというとそうでもありません。
狙われにくいケース
アルゴリズムに狙われるということは、その銘柄の値が操作されやすいということを意味しています。
操作されやすいということは、取引量が少ない、出来高が少ないということですよね。取引量が少なければ大きな資金を持った一部の人間によってその銘柄の株価を操作できることになります。
ということは逆に、取引量が多ければ操作は難しくなり、テクニカルに基づく損切りラインも狙われにくくなるということですね。
たとえば鍋に入った水はコップで汲み出したり継ぎ足したりして増減させることは容易ですけど、これがバスタブの水となると大変ですよね。^^; 不可能ではないけど。
だから取引量が多いほど、操作されにくくなると考えられます。
FXならどうなの?
それなら通貨をトレードするFXなら・・・操作される心配はないんじゃないかと思いますよね?
通貨の取引量なんて、株とは比べ物にならないですから。
でもこれも「損切りを狙われた」と言っている人を結構見かけます。
それはなぜなのか。おかしいじゃないか。
「狙われた」と主張する人によると、この場合は株とは事情が異なっているようです。
つまりFXの場合は取引所での取引ではなく、基本的にFX業者との「相対取引」なんですね。
だからあの「1ドル=○○円」とか、業者で表示されている値は、業者が決めて表示しているんです。
もちろん、実勢とかけはなれた値を表示することはできませんが、少しくらいなら違っていてもOKですよね?
それで、「もう少しで損切りを設定している人が大量にいるラインに届く」という場合、「ほんの少し」業者が値をずらすだけで、損切りを設定している人を大量に「狩る」ことができるということになります。
でもまああくまで、損をした人々による噂ですので、これが事実かどうかは知る由もありません。