個人的には「サイコロジカルライン」ほど「名前負け」しているテクニカルもないんじゃないかと思っています。^^;
いや、だからといって「使えない」というわけではありませんが。
サイコロジカルラインの計算式は超単純
「名前負け」と思う理由は、サイコロジカルラインの計算式にあります。
サイコロジカルライン=n日間の内上昇した日÷n×100(%)
これが計算式。たったこれだけ。どこが「サイコロジカル(心理的)」なの。^^;
設定期間内で何日(週足なら何週)株価が上昇したかを、パーセンテージで示しただけです。
12日で利用されることが多いので、n=12として見てみると一層わかりやすいと思います。
12日中、12日全部上昇すれば、サイコロジカルラインは100%。
12日中、6日上昇すればサイコロジカルラインは50%。
単純でしょ。
どこが「サイコロジカル(心理的)」…
サイコロジカルラインはよく、
「投資家の心理を数値化した」
なんてもっともらしい説明がされていますが、中身はこんなものです。単に上がった日数の割合を示しているだけ。
これで「心理を数値化」といえるなら、テクニカル指標はすべて「心理を数値化」しているといえそうです。
でも単純なだけに理解しやすく、扱いやすいと感じます。
だってテクニカルって・・・無駄に複雑な数式をこねくり回して、数値を出しているようなものって多いですよね?
そんな複雑なことをして、意味あるの?っていうやつ。
その複雑さって、ハッタリなんじゃないの?というパターン。(笑
ああいうのにくらべると、サイコロジカルラインのほうが信用できる感じです。(笑
サイコロジカルラインの見方と注意点
見方も単純で、100に近ければ「買われ過ぎなんじゃないの?」、0に近ければ「売られ過ぎなんじゃないの?」と疑ってみるだけのことです。
もちろんほかのオシレーターと同様、これだけ見てトレードすることは危険です。
例えば強い上昇トレンドが出ているときは、サイコロジカルが100になることだって珍しくありません。
でもそれをみて、
「サイコロジカル100%だ! 買われすぎだ! 売ろう」
なんて判断すると・・・それは失敗に終わってしまいます。
またサイコロジカルが同じでも、値動きの「中身」は全く違い場合もあります。
たとえば同じ「サイコロジカル=50%」だとしても・・・・
上げ→下げ→上げ→下げ→・・・
と1日おきに繰り返している場合と、
下げ×6日間のち上げ×6日間
では、まったく意味が違いますよね。
前者はヨコヨコだけど、後者は「トレンド転換じゃないの?」という場面です。
ということで、サイコロジカルラインだけ見ていても意味はありません。
やはりローソク足チャートといっしょに見て、利用していくこととなります。
サイコロジカルラインとRSIの違い
最後に、RSIとの違いです。
【本当の見方使い方】RSIとは~計算式、設定期間、ダイバージェンスに関する誤解
RSIもサイコロジカルラインと似たようなテクニカル指標ですが、計算方法は違います。
サイコロジカルラインは「上か、下か」だけで計算していますが、RSIは「何円上がったか」という値幅で計算しています。
値幅に着目している分、「サイコロジカルラインよりもRSIのほうが信用できる」という人は多いです。
確かに、サイコロジカルラインのように「上か、下か」だけでは、RSIのような節目を意識した利用法は難しいかもしれませんね。^^